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「さよならだと思えば、みんな愛おしい」。

  • 2013/09/06(金) 09:00:00

読む時間もナカナカ取れないので、
やめようやめよう、と思いつつもついついやってしまう

マンガのジャケ買い。

先日もうっかり手が伸びちゃったのですが、
久々の大ヒットがありました。

カム さんとゆう新人漫画家さんの初短編集
『山響呼』。


山響呼 (KCx ITAN)山響呼 (KCx ITAN)
(2013/08/07)
カム

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飛翔する鳥のフォルムのうつくしさ。
異形の仮面のなつかしさ。
おかっぱ少女の強気な瞳。
そして何より帯の
「さよならだと思えば みんな愛おしい」
とゆう文言。


惹かれる要素がこれでもか!と織り込まれた
黒地の表紙を
気がついたら抱えていました。


収録されているのは
“王様と魔女”
“逃亡前夜”
“夜のおばけ”
“山響呼”
“夜店”
の5話。
別れと変化がモチーフになった物語たちです。


冒頭に収録されている“王様と魔女”は異世界の話。
一子相伝の魔法を受け継ぐ魔女が、
先代が王様にかけた呪いを解くまでの日々を描いた物語です。
描線があまりにもそっけなくて
読後感があっけなかったのですが
ココで受け取ったメッセージが、
まったく別の世界観で描かれた2篇目、3篇目を読む毎に浮かび上がってきて
表題作“山響呼”ではっきりと眼前に現れます。


他者から引き継いでゆくもの。
じぶんのなかで育ってゆくもの。
それらが混ざり合って大きく膨らんで、織り成される“世界”とゆうもの。
主人公たちはみんな素直にその世界と向き合っていて
自分が見る、聴く、触れる、世界への愛着が強く
それが故にあがいたりしがみついたりわめいたりするのですが、
不思議や、怪異のことも当たり前に受け止めます。
“私”と“世界”がぶつかって、壊れた裂け目から見える新しい景色。
そのカタルシスたるや、いちいち、息をぐっと呑みます。


ラストの“夜店”というショートショートは、
小川未明の童話を読んでいるような肌触りでした。
そっけない描線とコントラスト、
シンプルで少ない言葉で語られるが故の宵闇の深さ。
壮大な解放のあとに来る、この
もやん、とした短篇が
世界の続きへの期待を掻き立てて止みません。


直感で動いたときの得難い出会いは
ほんとうに嬉しくて、そしてそれがアタマのなかで
別の記憶情報とむすびついたとき
「血を得た」と感じるのです。

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