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日比谷カタンの、六弦似非弾き語りクリニック◆6

  • 2012/05/29(火) 23:00:00

さて、半年に亘って行われてきた(そして、わたしのブログも時間かかった)
日比谷カタンの六弦似非弾き語りクリニック』も、いよいよ最終回。
審査員を交えての、公開ライヴ審査の日がやって参りました。

まず、教室に入った聴講生に配られたのは、
クリニックを終えてのカタン先生の『雑感』と称した挨拶文と、
6人分のマトリックスとバロメータが描かれた、アンケート用紙。
今日の講座は、『ライヴ審査』ということで、
受講生それぞれのアクトを観て聴講生にも匿名で審査を行ってほしい、というもの。
更に、教室受付には6個の投入口が配された『投げ銭箱』も設置。
「お金を払ってもよい」と思えた受講生に、
思い思いの金額を投入してよい、とのことでした(勿論、0円投入もあり)。
そうした前置きを踏まえて、最終講座、開講です。

まず、審査員の紹介から。
avex所属、
過去にはZilchの制作等も行い、現在は総合格闘技などもプロデュースするイヴェンター、
『PUREVIL』代表の宮澤政一氏。
氏の切れ味鋭い毒舌については、幾度か聞き及んだこともあり、
本日はばっさばさ受講生を斬ってほしい、という役割での登壇でした。

もうお一方、漫画家、イラストレイター、文筆家の能町みね子氏。
『モテない系』の発案者として知られ、世に渦巻く『残念な感じ』を細分化し的確に言い当て、
尚且つ辛さと優しさが備わったコメントで何となく場を中和せられる芸風をお持ちの著述家です。

このおふたりをスパイスに、
カタン先生も審査員席にスタンバイして、審査ライヴの幕開け。

出演順は、以下の通りです。
1.永見雪尋
2.ヤマネ
3.渋谷幸枝
4.山田庵巳
5.田村智博
6.ワタナベ・T(敬称略)

●永見雪尋
・いっそセレナーデ(カヴァー)
・亀(オリジナル)
・ちゃんねるエラー(オリジナル)


 前回の公開リハにおける受講生のクロスレビューでは、主にオリジナル曲の評価が高かった永見氏。
オリジナルから攻めてカヴァーで〆る構成への難を取り沙汰されていた為、
今回はカヴァー課題曲“いっそセレナーデ”から始まります。
トップバッターということもあってか、緊張…というよりも、
おっかなびっくり演ってる感触は否めませんでしたが、
やはりオリジナルのやり込み感は『安定』の一言。
スピード感もスリルも含め、良くも悪くも、“ブレ”のないライヴを披露する方です。
「ああ、今日もコレが観られた」と思うその安心感が、
武器になるのか弱みになるのかは、永見さんの行きたいところ次第、という感じ。

以下、審査員コメント
◎宮澤さん
苦手なもの(この場合、カヴァー)を、自分で聴きながら演奏することで
自信がなくなっていくのをやめないと。オーディエンスが没入できない。

◎能町さん
エロさはあるけど、もうちょっと憂いが欲しい。自信のなさが眼に表れてしまっている。

●ヤマネ
・十七歳(新曲)
・ねじれ(カヴァー)
・ピアノ(カヴァー)
・ポインセチヤ(新曲)


ヤマネ氏、今回もMCは紙にて配布。
やはりこれを読みこみ咀嚼する時間を計算に入れると、
MCはなしでも、いいんじゃないかな…と思わざるを得ませんが、
オリジナル2曲、原マスミさんのカヴァー2曲。
まるで組曲のように、或いは連作掌編のように構成してゆきます。
演奏が覚束なくなってしまったり、ふっと乗りかけたグルーヴが霧消してしまう部分は
ほんとうに残念だったけれど、彼の強みはアイディアにあると思います。
クロスレビューで取り沙汰されたのはヤマネさんが持つ『不安定感』。
それは、創作の部分ではひとをぞっとさせるような魅力にもつながるのだけど、
実演の部分では級初にもなりかねない…と。
創作と実演にギャップを持たせることで、厚みも増すのではないか、
というのが受講生からのアドバイスでした。

◎宮澤さん
原マスミを知らなかったけど、原マスミが凄い人だというのが解った。
ちょっとリスペクト強すぎだけど、愛を感じた。

◎能町さん
MCの紙に書かれていることが、ライナーノーツ的で勿体ない。
紙を配ることも、芸風のひとつに取り入れてもいいんじゃないか。

●渋谷幸枝
・あなたの舟(カヴァー)
・見つめていたいの(新曲)


結論から言って、本クリニックを通して聴講してきて、
彼女のこのライヴが、最も大きな意義ではなかったかと思います。
それくらい(おこがましいのは知りつつも)成長してた。
というより、メタモルフォーゼしてた!
カヴァーは安定して形になっているし、
何と言ってもオリジナル!前回まで“かえるのうた”と呼ばれていたこの曲には
“見つめていたいの”というタイトルがつけられていました。
爬虫類男子へのフェティシズムについて、
一握りのヤンデレ要素を盛り込みつつも、
恋愛における流行歌的な普遍性まで見せ歌いきったこの曲は、
是非渋谷さんの今後のレパートリーとして、活躍してほしい…!
また、上目遣いとか恍惚の表情とか、歌ってる姿に演技が加わってきたのが、
初めて観たときとの大きな相違点です。
クリニックでの指導や、クロスレビューで挙がった「もっと表情を」という指摘を
1個1個咀嚼して、いいとこどりしている印象を受けました。

◎宮澤さん
取り繕おうとするところと、露悪的になるところの“境目”が見えた。
『イタい女』キャラで今後いけると思う。

◎能町さん
曲が、詰め込み過ぎの感があるがカオスっぷりがよかった。
見た目と中身のバランスが良いので、もうちょっと声にクセがあってもよい。

●山田庵巳
・新曲(8弦ギターの解説の為の曲)
・いびつな月のはからい(カヴァー)
・命の傍らに(オリジナル)


定位置につくとやにわに始まる即興曲。
庵巳さんらしさと、一瞬疑ってしまうような意外性、
けれどやっぱりトータルすると庵巳さんのトリッキーさが全体を包括している、
不思議な構成でした。
これはつまり、クリニック開始当初から話題になっていた
『8弦ギターについて一見さんに説明するのがめんどい』を、
そのままカタチに表した課題の新曲だったのですけれども。
庵巳さんについては、その曲や演奏のクオリティは素人の我々には何をかいわんや、なのですが、
彼自身のギターテクニック、発想、キャラクタリゼーション等、
活動するすべてに対し「どうしてこうなった?」という興味が尽きないのです。
クリニックを経て庵巳さんがどう変わっていくのか、また、変わらないのか。
どちらに転んでも、『山田庵巳』というひとの核は、常にそこにあるのでしょう。

◎宮澤さん
いろいろ、持ち合わせすぎている。だからこそ、何かが決定的に足りない!
そのことを強く感じる。『何とかしたい』感が、すごく強い!!

◎能町さん
ギターも声も好きだけど、『ライヴに通うか』というところで観られない。
清らか過ぎてしまう。

●田村智博
・アポロの月(カヴァー)
・新曲(ヘッドフォン女子萌えの歌)


田村さんも、期待されるアクトのひとつ。
ZABADAK“アポロの月”のカヴァーと、『ヘッドフォン女子萌え』を熱く表現した新曲…と、
方向性がばっちり定まっている内容でした。
それが故に、スキルの部分、“表現”のディテールに眼が行ってしまう………。
本番、という勢いの為なのでしょうか。それとも、何かのタガが外れたのでしょうか。
軒並み、もう、単刀直入に言ってしまえば「雑」に感じられたのです。
たぶん、スタンディングで、ノリ重視のアレンジであれば気にはならなかった。
でもじっくりと “うた”を聴かせる意図がある場では、なかなか難しい…と思いました。
クロスレビューでも、自身の歌(というか、アクト)に対する客観性を持つべきでは、
という声が上がっていたのですが、
弾き語り基本、イタいよね。というこのクリニックの出発点に戻る、
と考えれば、致し方は、ないのかな…。
その勢いあってか、『ヘッドフォン女子』に拘泥する新曲は、
何だか映画の『コレクター』的粘着質・不気味さも混ざっているようで、
(たぶん本人の意図するところとは違う方に)良かった。

◎宮澤さん
驚いた。
ミッシェル・ガン・エレファントとジミー大西が共存できるのは、君しかいない。
(審査が)始って、はじめて「ちょっと、どうしよう」と思った。

◎能町さん
ZABADAK好きというのと、ヴィジュアルと、やってることのギャップがすごい。
ZABADAKの緻密さを、初期エレファントカシマシの大胆さでやっちゃう…
これ、上手くして、いいの?

●ワタナベ・T
・ヘテロのワルツ
・新曲(シャツインの歌)


そして、大トリです。
というか、最後の砦です。
むしろ、パンドラの匣です。
カタン先生のカヴァー“ヘテロのワルツ”と、
そして物議を醸している曲(ではなく“表現”だとワタナベ氏は言います)
“シャツインの歌(仮)”。
“ヘテロ”では、いきなり「ウィスパーかよ!」という抑えたヴォリュームで始まり、
ふだんのワタナベさんとのギャップを存分に見せつけましたが、
もう特筆すべきは、オリジナルでしょう。
まず、寸劇からスタートし、一気にメタルな展開に流れ込むその様は、初期筋少です。
ただの一度もテンションが崩れることなく、
壮大な組曲(の、ようにもなれると思う…)の最後までを演じ切りました。
受講生のクロスレビュー時も、
各々から最も親身なアドヴァイスと、「クリニックを引っ張ってきてくれた」という
感嘆の声を受け続けていた彼ですが、
それが故に大トリに相応しく、また役割を務めあげてくださいました。
もう、ワタナベさんのときは感無量で、ほとんどわたしもメモが取れてなかった…。

◎宮澤さん
クリニックの体現者だと思う。

◎能町さん
(以前にも観ているが)歌詞がだいぶ良くなった。
1曲目(ヘテロ)のときみたいな、小芝居はいらないんじゃないか。


と、言うわけで。
日比谷カタンの六弦似非弾き語りクリニック』も、無事終了と相成りました。
最終回にして、受講生の半年の成果はありありと示され、
それを進歩というか退歩ととるかは彼ら次第という『自身の軌跡』を目標とするところで、
この講座は成功だったのではないかな、と思います。
6ヶ月間受講してみて、まとめる段になって自分も「何様だよ」的意見が湧いてきたり、
「何様だよ」と突っ込んでみたり、それでも言わざるを得ない気持ちになったり、
「表現」への欲動を、こそこそっとくすぐられ続けていました。

次回は秋に開講予定、ということで、
内容も刷新されることでしょう。
もしかしたら『六弦』の枠組みを超えるかもしれないな、そうなったら嬉しい面白いな、と思いつつ。
あとは、
忘れた頃に『第一期受講生同窓会ライヴ』とか、観たいなーと夢想しつつ
(観たいなー、じゃねえよ)
講座終了から半年近く経っていますが、
ここまで反芻し、引っ張って話題の俎上に乗せられる、
希有な体験をともに出来た聴講生の皆さま、その場を与えて下さった受講生の6名、
そして、講師の枠を超えた指導で、
ティーチングをエンタテインメントにして下さった日比谷カタン先生、ありがとうございました。
ここまで読んで下さった皆さま、
たいへんお疲れさまでした。あくまでわたしの、
いち聴講生としての雑感と報告でしかないお見苦しい記事でしたが、
お付き合い頂きましたこと、嬉しく思います。

さて次へ!

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  • 2012/07/27(金) 13:50:05
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