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■今敏回顧展『千年の土産』 於新宿眼科画廊■

  • 2011/08/17(水) 11:00:00

起きぬけに見たTwitterで、最初の報せを見たのだった、と思います。

だんだん、情報が確かになり、
オフィシャルサイトで訃報が公示され、更には
氏の「最後のメッセージ」が公開されて、
“死”という突然の喪失を、最も強く、実感した出来事でした。


アニメーション監督、漫画家、今敏
2010年8月24日、永眠。

氏の一周忌も近付いた、8月12日から
新宿三丁目のギャラリー『新宿眼科画廊』で、
大規模な回顧展が、開催されています。

今監督の主な作品
パーフェクト・ブルー
千年女優
東京ゴッドファーザーズ
パプリカ
妄想代理人
そして、未完成の遺作であり、公開が望まれ続けている
夢みる機械
これらのオフィシャルなイラストから、
今監督が漫画化時代に残した生原稿、大学時代の作品や
プライベートイラスト、
そして、愛用の道具までが、
お世辞にも「空間として広い」とは言えない、眼科画廊の、ちょっとした迷路のような、
ほとんどすべてのスペースを使って、展示されています。


8月24日、監督の命日まで開かれているこの回顧展に、
初日と14日の日曜日、足を運びました。
両日ともに人の足が途絶えることはないのですが、
初日に伺ったときは、オープンと同時に列が出来て、
整理券による入場整備も行われていた、とか。
(そして、限定100セットの画集も、瞬く間に
売り切れたとか…orz)
わたしは、オープン2時間後くらいに辿り着いたのですが、
その話も斯くや、と思える内容でした。


まず、これまで観たことのあるオフィシャルなイラストから始まり、
奥に行くに従って、ラフ画や線画、
漫画化時代の原稿、学生時代の…と、展示物が徐々にディープになってゆきます。
そして最奥では、今監督生前の映像(講演や美術学校での授業風景、トークショウなど)が
エンドレスループで公開されていて、
今敏』という、様々な功績を残したいち監督の仕事を、掘り下げて知るのに
適した導線になっている、ということ。
という上で、作品ひとつひとつに対峙したときに、
その美しさ、緻密さ、ダイナミズムというそれぞれの持つ魅力を堪能し、
更には
今敏というひとが、仕事に、ひいては世界に、どのような向き合い方をしていたのかを
考えさせられる内容になっています。


今監督が遺した「おみやげ」の大きさ。
その有難さをじゅうぶんに咀嚼して味わうには、とても一日では足りないのです。
いち面識もなかったわたしが言うのもおこがましくはありますが、
今監督の生前から、その作品や言動に受けた影響、頂いた感動、
作品を見る度に漏れた溜息、は計り知れず、
その報を聞いたときは
冒頭に記した“死という突然の喪失”に、しばし呆然とし、口惜しがることしかできませんでした。


けれど、監督はこんなにたくさんの「おみやげ」を残してくれた。
それはいつ見ても変わらず、また、記録されたメディアになら、触れることができる。
その時代に生きられていることに、感謝します。
そして、監督の作品が公開される度に、朝から臨戦態勢で映画館に向かい、
映画を反芻しながら、放心しながら帰路に就く、
あのお祭りのような昂揚感を、味わえたことも。


今 敏、という名前を記憶しているひとには、是非
足を運んで頂きたいイヴェントです。

詳細は、KON'STONE、もしくは新宿眼科画廊のHPで
観られると思いますが、
概要を転載させていただきます。

今敏回顧展『千年の土産』■

会期 2011年8月12日(金)~8月24日(水)
12:00~20:00(最終日は17時まで/木曜休廊)

会場:新宿眼科画廊(JR新宿駅から徒歩10分、東京メトロ各線新宿三丁目 E1番出口より徒歩3分くらい)

http://www.gankagarou.com/

『千年の土産』特設ページ
http://konstone.s-kon.net/modules/gallery/retrospective.html








ちょっとだけ、と思ってたけど、凄い蛇足。

ちょっと、プライヴェートすぎる話になるので、
ここからは、ご興味のある方だけ。












今監督が罹られていた、『膵臓癌』という病。
わたしの母も、それでした。

2000年ころから不調を訴え出して、2003年12月にようやく病巣を発見できたときは、
ステージ4、末期の状態で、伝えられた余命は、長くて2年でした。
ステルス(浸潤性)の癌であったため、癌細胞は血管を巻き込んでいて、
切除は不可能、という宣告を受けました。

そのため、癌は切らずに別の、消化器系のバイパス手術を行い、
あとは抗癌剤とワクチンでの治療を続けました。
一時期は
「癌が縮小している。ひょっとしたら、ひょっとするかも」という事態もありました。


母が他界したのは、それから約4年半後の、2008年3月。
発見が難しく、見つかると(母のように)すでに手の施しようがない状態に陥っていることも
少なくない、という癌に罹患しながら、
母は、たいへんな結果を残したと思っています。


それが故に、『膵臓癌』で亡くなるひとの多さ、そして果敢無さ、
その努力の跡、すべて、心強くあり、またその結果が、口惜しいのです。
今監督の『さようなら』というメッセージを読む度、
かなしみとも、憤りとも、やりきれなさとも違うなにかが襲ってきて、
このときばかりは冷静な判断を拒み、
感情に呑まれてしまうのです。


ただ、
母に関して言えば、彼女の生き様は、
膵臓癌』ひいては、癌宣告を受けたひとに、何らかの光明をもたらすのではないか、
と考えています。
「あの治療法が良い」「この薬が効く」
そういったプロパガンダではなく、彼女の病魔との向き合い方、
そして、(体質にも依るのかもしれませんが)
末期の進行を止めてしまうタフネス。
彼女の稀有な人生を目の当たりにしてきたことは、大きな成果だった、と思っています。
もしも、わたしがその経験のなかから伝えられることがあるなら、
それは惜しまず、伝えていきたい、と思っています。


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