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■4月15日『ネオンから月光』 於 渋谷公園通りクラシックス

  • 2011/04/18(月) 12:00:00

と、
いうわけで、お待たせしました。
『ネオンから月光』で
ございます。

出演
ミラーボールズ
日比谷カタン
柴草玲


『公園通りクラシックス』は、着席・テーブルもあり
白壁に木目の温かみが活きた、暖色を感じさせる空間なのだけど、
そこにSEとして
日比谷カタン氏による「川内康範ワークス・セレクション」が流れる。
“日本むかしばなし”OPテーマや、“月光仮面”などのヒーローもの主題歌、
そして紅白出場時の森進一“おふくろさん”の熱唱が響くと、
粛々淡々な風景と、うたの熱さのギャップに、ちょっとした混沌を感じる。


5分押しくらいで照明が落ち、
まずは、ミラーボールズから。
北脇さんはお手製の、紺に白いドットのワンピース。
森さんは、蝶ネクタイのフォーマルないでたちに、
裸足。

「ここは大人の世界だ/ひどくさびしいところだ」という
歌詞に始まる“金字塔”で、ライヴはスタート。
ふたりだけ、というシンプルな構図と、クラシックスの残響が、
この曲の静かな暗さを、より印象付ける。
あまりにも“いま”を表しているように感じられて、
冒頭から底冷えする。

全体的に、しっとりとした選曲でライヴは進行します。
序盤のなかではわりとアップテンポだった“白昼夢”“ミッドナイト”
森さんのステップも、何だか舞踏のような静謐さ。

そして中盤。
「畑を一区画つかって、家庭菜園を始めた」という北脇さんのMC。
森さんにも手伝いに来てもらったものの
「役に立たなくてびっくりした」という
ものすごい発見(!)を報告…。
そして、現在入手困難な1stアルバム『スピカ』の1曲目に収められた
“黒い足跡”………!

この曲は、
わたしにとっての揺るがし難いキラー・チューン。
初めて観たときの1曲目、まさしく最初の一撃で、急所を射抜かれてしまった。

それ以降、ライヴでは1~2回くらいしか聴いたことがなかったんだけれど、
この日の“黒い足跡”は、随分と重厚で、
疾走感が生み出す焦燥よりも
じわじわと感情を増幅させられる。

森さんの手になる歌詞が覚えさせる、
この「見たことは無いけれど知っている」感覚。
人間の、核の部分に刷り込まれているかもしれないもの。
それを惜しみなく晒すから、ミラーボールズには惹かれて止まないのかもしれない。

とにかく、音の響きがよくて、
ふたりのギターの、各々の持ち味や、
北脇さんのヴォーカルのイノセンスまで
ぜんぶ、鮮明に見える。
そこからは、
いつもの見馴れたミラーボールズに徐々に近づいてくる流れ。
ラストの“ティアドロップ”がもたらす哀感が
そのまま余韻になって、ふたりがステージを去る。


2番手の日比谷カタン氏は、
スパンコール様のものが敷き詰められた
ドレープ多めの不思議な衣装
(本人曰く『ミラーボールコスプレ』とのこと……………)で登場、
久々の“Stereoboy VS Stereotype”から。
映画の挿入曲として「ロックな曲」という依頼を受けてつくられたこの曲は
カタンさん流のグランジで、ここ最近のライヴでは異色のはじまり。
イントロのタッピングを聴くと、それだけで昂揚するんだけれども
この日のは、より“焦燥”を感じた。

激しい熱量で声を張り上げた後、すっと“ウスロヴノスチの切符切り”の平熱に戻る。
そこから合言葉は
やはり、ACの“金子みすゞ篇”改変Ver.「こだまでしょうか、いいえ、手遅れです」から
“あいさつの魔法(黒)篇”へ。
ここはもう、文章化も憚られるほど不謹慎な“現場のお楽しみ”。
なのだけど、
ototoyのチャリティ・コンピレーションアルバム『Play for Japan』に提供した
新曲(山田庵巳氏との共作)
“in The Soup”が、ライヴにて初めて披露される。
庵巳さんの入っている音源Ver.からは、また少し変化しているのだけれど、
水平な目の厳しさが、温かなサウンドのスパイスになっていて、
浸ることに安堵しながらも、どこかを突き刺されるのが、
彼等だからこその曲なのだと、思う。

そして、不定期コーナー“日比谷カタンのヂェイポップはニッポンイチだ”では、
川内康範作詞の中から、
(平時に聴いても)最も不謹慎な“死ね死ね団のテーマ”…!!
『愛の戦士レインボーマン』の悪役で、理由はよくわかんないけどとにかく
「日本人殲滅」が目的の、拝金主義の秘密結社が『死ね死ね団』です。



そこから、“対話の可能性”までは、やはりライヴでよく耳にする
曲の応酬だったのだけど、
こうしてみると、やはりカタンさんの曲は、“いま”の鏡映しで在り続けている。
特殊なシチュエーションを描き続けているのに、
物語を織り込んでいるのに、“現在”の状況が、必ずどこかに映り込んでいる。
彼のギターの音に、最初、ただ圧倒されたあと、
余韻を反芻するとその“現実の影”に浸潤されていく。

ミラーボールズにもある“病みつき”の感覚と、
ベクトルは違うけれど、似たものを感じるのです。


そして、最後は、おもむろに
ベート-ヴェン“ピアノソナタ第14番『月光』”を弾く、柴草 玲さん。
おかっぱのヅラを少し逆毛立たせ、
フレンチスリーブのTシャツとジーンズのホットパンツ、という
出で立ちが、華奢さをより強調する。
突如「ごめんなさい…」と呟きながら、ぽろぽろと単音の
“伊勢佐木町ブルース”イントロを奏ではじめる。
「あたし、『月光』ここまでしか弾けないの…ごめんなさい」

そのか細い懺悔は、かつて、ネイキッドロフトで行われた
「昭和歌謡ナイト」
(出演者それぞれが、昭和歌謡の代表的歌手1名をセレクトし、
そのひとのカヴァーだけでライヴを行う、というチャレンジアブルなイベント)に現れた、
柴草=青江三奈、そのひとのものであった。
して、「三奈のブルースを、聴いてくれ…」と始まったのは、
“昭和おんなブルース”。
そして、再び“伊勢佐木町ブルース”を弾きながら
「ごめんなさい、いまのは、作詞・なかにし礼なの…」

柴草=三奈の、この確信犯的なズレは、
昭和的な”かわいいおんな”をすごくよく、表していると思う。
ズレたり転んだり痛かったりを繰り返しても、全部了解したうえで
笑顔できりっと立てる“かわいいおんな”。
結末として想像(妄想)し得る寂しさに触れたとしても、
そこにもっと寛いものを、聴く気がする。

“会話”という曲の、抑えた情念が、しぜんと赦しに変わってゆく、
その過程。
長いスパンかもしれない“こころの動き”を、
わたしたちはそこに見る。
“赦す”という行為までの、身を切るような決意。

彼女が立ち上がり、アコーディオンを抱えると
静謐な空気が一転する。
ここのところのハイライトとも言える“イカ女”も、
何だかさらにヴァージョンアップされていて、場内の笑いを誘う。
そして、立ったまま。
カシオトーンのチープなオケに乗せて、待ってました!の
“伊勢佐木町ブルース”!!
右手でかざした扇子を見い見い
(そう、そういうことですよ。歌詞がね。そこにね。)
客席を練り歩きつつのパフォーマンスは、
やっぱり歌謡曲時代の華を思わせる。


「川内康範トリビュート」という裏テーマを持ってはいたけれど、
(そして、本来の意味の“トリビュート”として、
そこは大成功だった、と思っています)
意識するとしないとに関わらず、
“いま”が凝縮されたイヴェントになった。
二度と訪れない時間を、個々のミュージシャン、それぞれの色で
クラシックスを染めてくださった。
そして月光は透明な仄明るさで、3組を照らしてくれた。


ありがとうございました。


各出演者のセットリストは、こちらに格納。




◎ミラーボールズ◎
金字塔
白昼夢
ミッドナイト
ペータとリリィ
黒い足跡
赤いファンタジー
蒼い鳥
紺碧のアーカイブス
ティアドロップ


◎日比谷カタン◎
Stereoboy VS Stereotype
ウスロヴノスチの切符切り~合言葉
(AC“金子みすゞ篇”改変Ver.+“あいさつの魔法”替歌)
in The Soup
死ね死ね団のテーマ(キャッツアイズとヤングフレッシュのカヴァー)
椛狩~赤の運命~
終末のひととき
愛のギヨテヱヌ!恋するヰミテシヲン!!サ!
対話の可能性


◎柴草玲◎
ピアノソナタ14番『月光』(ベートーヴェン)~
昭和おんなブルース(青江三奈のカヴァー)
月夜のキス
ともこのメール
会話
イカ女
伊勢佐木町ブルース(青江三奈のカヴァー)





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