スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■青葉市子ワンマン「檻成す髪模様」 於青山Eats and Meets Cay

  • 2011/04/02(土) 23:00:00

市子さん、Cayで3度目のワンマン。

実は今回のワンマンはSold Out。
先の地震の影響を受けて、日程が振替になったり
さまざま、事情はありましたが、お客さんはほぼ満場。
流石に、見知らぬ顔が増えてくる。

白くふわりとしたシャツドレスや、
オーガニックな色合いのオシャレ女子の姿が目立つ。
そんななか、会場には断続的に、
鳥のさえずりが響いていた。

ステージの上には、市子嬢作の粘土細工が、いくつも並んでいる。
ひとつ、何だかぶらさがっている、丸いひともいる
(『にじゅう よん』さんという名前が付いているそうで、
ぶら下りながらずっと市子嬢の方ばかりを向いていた)。

開演を少し押して、ステージに市子嬢が登場する。
衣擦れの音も拾う静寂のなか、
厳かに“灰色の日”からスタート。

第一部は、リリースパーティであることを意識してか、
2ndアルバム『檻髪』の曲を中心に。
途中「“パッチワーク”が難易度高くて、頭使いすぎた」と、
テンパリを見せるMCを、多めに挟みながらも
“日時計”では、ぐっと耳を引き寄せる緊張の糸を、
ぴん、と会場全体に張り巡らす。
この緩急の絶妙さ。

かと思えば、島崎智子嬢ののどかな“イモムシ”をカヴァーし、
「勇気を与える曲です」と、
“イソフラ区ボンソワール物語”へ流れます。
そして最後は、穏やかな“おもいでカフェ”。

2年前、彼女が音楽担当で携わった
太宰治原作の短編アニメ『雪の夜の話』を
インタールードとして、第二部の開始。

不協和音を盛り込んだ即興(?)から、
旬のAC「あいさつの魔法」篇のカヴァー(でいいのかな…)までを
ピアノで披露し
(もちろん、まほうのことば「ぽぽぽぽーん」も高らかに)
2ndの1曲目“少女と檻”を解き放ってからは、自由度の高い彼女の、
いつものステージ。
勿論、カヴァーコーナーもあり、今回は
彼女の友人、ネイリストでありシンガー・ソングライターでもある
ciromさんの“深い川”
大貫妙子さんの“横顔”
そして坂本龍一×大貫妙子両氏の“三匹のくま”の3曲。

“重たい睫毛”で一旦幕を下ろし、
アンコールでは“路標”を。

淡々と感じられた時間は、実はものすごい深みにあって、
この日のライヴは、トータル2時間半に及んでいたのでした。
終わってから時計を見てびっくり。

そして、その間のことを、ざっくりとしか覚えていない。
ただ、すごくふうわりとしてうっすらとした、それでも確かな感触を持つ
多幸感に包まれていたのは、覚えている。

市子嬢のつくる楽曲、ひとつ、ひとつは
個人的な思い入れや、ぼうっと見た白昼夢や、
そうした“記憶”と密接に結びついていて、
聴くたびに、それぞれに
撫でられたり、鳩尾をえぐりこまれたり、いろいろ一喜一憂する。
けれど、“ライヴ”となるとそれ自体がひとつのパッケージとなって、
一元的な印象を与えるのです。

それが、前述の多幸感。
声やギター、ことば、それらの存在する“意味”が等しく無化されて、
“音楽”というひとつの、ただの大きな屋根になるのです。


青葉市子は、空間をあやつる。
そして、そのなかでは、個々の時間は減速する。





アルバム『檻髪』は、明らかに1st『剃刀乙女』から脈々つながる、
彼女の作品の記録になっていると思います。
彼女の漂わせる雰囲気や、抱いている寓話に向き合い、
自分に重ねながらひとつひとつ味わえる、じっくりと。

けれど、生の彼女を観ていると、その愉楽は小さなものでしかなかったんだな、
と思わせられてしまう。
いみじくも、アルバムのなかの1曲“つよくなる”で歌われる
「わたしのからだを包む大きな作品」とは、
ライヴ、それそのもののことを言っているのではないか、
と思うのです。

関連記事
スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

コメント投稿

管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。