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■『JUN TOGAWA BIRTHDAY LIVE 2011』於新宿LOFT

  • 2011/03/31(木) 23:00:18

出演
戸川純(Vo)
デニス・ガン(G)
中原信雄(B)
矢壁アツノブ(Dr)
ライオン・メリィ(Key)


てなわけで。
そんなに数も多くない、彼女をナマで観られる機会。
しかも、バースデイライヴ、ということで。

地震のこともあったからなあ。
からだの不調(腰)も、続いているし。
と心配ではあったものの、予告通りの開催!
 

だいたい15分押しくらいでのスタート。
まずは『Dadada ism』所収の“コンドルが飛んでくる”
タイトルから、サイモン&ガーファンクルの名曲を想起した向きも多かろう、と思います。
曲調もアンデス風で、詞もトラックも、かの曲のパスティーシュとも、
アンサーソングとも取れる内容になっている。
けれど、そこに込められた悲愴な決意は、
やはり純ちゃん一流の情念を感じて、しっかりと『戸川純(ヤプーズ)の曲』になっているのが
力強い。
そして、最早いま、彼女の代表曲といえばこれなんじゃないか、というくらい
多くのひとにカヴァーされ、愛唱される(という状況も、ナカナカ怖くて一興ね)
“諦念プシガンガ”

曲、1曲ごとに自己反省と自虐を込めたMCを挟む純ちゃん。
お客さんからのお手紙(お返事を書いている、という話に
わたしはどきっとしたよ…生半な量では、ないであろう)で
「純ちゃんのMCは、ファンとしては嬉しいけど、他のメンバーがかわいそう」
指摘されたことについて
「なんて自分本位だったんだろう…!」と懺悔するも、
「でも時々(MCを)挟ませていただきます」と、調子は変わらない、特に。笑

メリィさんをフィーチュアリングしての“隣の印度人”そして
“コレクター”と、ソロ~ヤプーズを縦横無尽に駆け回るセットリスト。

“コレクター”は素晴らしかった。
個人的には、ここからの3曲がわたしのハイライトなのだけれど。

ちょっと、回顧します。
ライヴの本数が減ってきたのは、2005,6年頃だったろうか。
腰を痛めた、とかでしばらくお休みしていて
久々に聴衆の前に現れた純ちゃんは、「20kg太った」と公言するように、
がりがりからふくよかになっていた。
けれど、その声は力強く、ドクターストップがかかっていたというファルセットや
ベル・カント唱法を自ら解禁すると、それは
かつての純ちゃんの持ち味だったものに、徐々に戻っていった。


この日の“コレクター”は、まさに盤石だった。

そして、そこから“私の中の他人”と、“彼が殴るの”
これは、前者は二股、後者はDVと、
まーろくでなしに惚れちゃった女の子の情念満載な曲だ、といえるんだけれども
“コレクター”から続く“独占欲”は、嫉妬、乖離、多重人格、攻撃性、依存、自己愛、
さまざまに形を変える。
もうどろっどろの世界が展開する。

だけど。
 “彼が殴るの”のクライマックスのシークエンスには、
浄化に近いカタルシスがあるのです。
主人公は“依存”を手放したうえで、“彼”と向き合って愛の展望を語る。
それが、叶わない願いに聴こえたとしても、一縷の望みを託したくなってしまう。

この曲は、tricomi feat.戸川純というかたちでドロップされたもので、
わたしが『水谷紹』という
稀有なシンガー・ソングライターの存在を、知ったきっかけでもあります。
純ちゃんがtricomiに参加しなくなってからは、水谷さんが歌っていて
それでも素晴らしい曲なのだけど、
やっぱり『当て書き』であるかのように、純ちゃんが歌うと、
それまで見えなかった決意が見える。





レア曲“Preach”を挟んで、
「立て底辺のものよ 労働者諸君よ」と呼びかける
“吹けば飛ぶよな男だが”
そして“君の代”へ。
「前者はアカみたいに、後者は右みたいに言われる…」と彼女は
述懐してましたが、
“吹けば~”は、いまなら復興を鼓舞するメッセージにも取れるし、
“君の代”は、ただ大好きなひとのことを歌った純粋なラヴ・ソングで。

そういう
ひとの心に遍在している気持ちや事象を、彼女は常に持っている。
ただ、表し方が特殊だから、彼女は“普遍”にはなり得ない。

テクノ歌謡アイドル風な2曲で、第一部は〆。


第二部のオープニングは、細野晴臣氏との共作
“夢見る約束”から、平沢進先生の“金星”へと、
第一部後半の流れを組んだ、テクノな展開。
“無題”で更にエキゾティークになったところへ
「15年ぶりにやる」という“少年A”
この曲をやるきっかけになったのは、昨年末の
神聖かまってちゃん』の子氏との対談。
「の子ちゃん中学時代こんなこと考えてたんじゃないか」という
MCから、じわじわ、行き場を失ってゆく思春期の破綻は、重々しい
(そして重々しいときのデニスのギターが、実は、大好きだ)。

この曲が収められている『HYS』とゆうアルバムは、
90年代半ばに発表されたのですが、現在を予兆しているかのような、
不穏で皮肉な空気に包まれている。



「すっごいふり幅の広いバンド!」みたいなことを言ってからの
“ローハイド”
そして、ライヴでは鉄板の曲が続きます。
こうなってくると、忘我のお客さん、多数。
思い思いに暴れます。もう、ほんとうに暴れている。

そしてラストは
今回配布されたプレゼントCD-Rにも収められている
定番中の定番“電車でGO”
アンコールでは、
先刻のお客さんのお手紙が気になったのか、
二度目のメンバー紹介をする純ちゃん。
メリィさんとは、AC(公共広告機構)のあいさつの魔法
「ぽぽぽぽーん」をかけあいする始末。笑
純ちゃん曰く「あのCM、絵が下手だから好き」だそうです…。

そして、
いつも「こんな身体でちゃんとできるか…」というエクスキューズを挟みつつも、
こちらの予想を上回るアクトをこなす“パンク蛹化の女”で、幕。


第一部は、どちらかというと脳を駆使する曲がメイン。
第二部は、フィジカルに忠実に動かされる、衝動的な構成。
繋がりを見出しつつも、メリハリのある構成が潔く感じました。

Birthday Liveということは、
またひとつ、年輪を連ねたということ。
そこには熟達も生まれるし、老練もある。
それと同時に、避けて通れない衰弱も、訪れる。

けれど、それらを全部飲みこんで、
それでもわたしたち、彼女を待つひとたちに、未来を誓おうとしてくれる。
変わらなくありながら、
戸川純は、まだまだ更新を続けている。

セットリストは、こちらへどうぞ。

第一部

コンドルが飛んでくる(『Dadadaism』ヤプーズ)
諦念プシガンガ(『玉姫様』ソロ)
MC
隣の印度人(『玉姫様』ソロ)
コレクター(『ヤプーズ計画』ヤプーズ)
私の中の他人(『ダイヤルYを回せ!』ヤプーズ)
彼が殴るの(『彼が殴るの』トリコミfeat.戸川純
Preach(東口トルエンズ)
吹けば飛ぶよな男だが(『バージンブルース』ソロ)
君の代(『Dadadaism』ヤプーズ)
踊れない(『玉姫様』ソロ)
フリートーキング(ハルメンズカヴァー)

夢見る約束(『極東慰安唱歌』戸川純とヤプーズ)
金星(平沢進カヴァー)
無題(『極東慰安唱歌』戸川純とヤプーズ)
少年A(『HYS』ヤプーズ)
ローハイド(NYLON100℃『すべての犬は天国へ行く』挿入歌)
東口トルエンズのテーマ~女優戸川純のテーマ(東口トルエンズ~ソロ)
バージンブルース(『バージンブルース』『昭和享年』ソロ)
バーバラ・セクサロイド(『ヤプーズ計画』ヤプーズ)
肉屋のように(『ヤプーズ計画』ヤプーズ)
母子受精(『東京の野蛮』ソロ)
電車でGO(ハルメンズカヴァー)

パンク蛹化の女(『裏玉姫』戸川純とヤプーズ)

※()内は初出とユニット名です。
もし誤植などありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

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