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高円寺逍遥・日々の音楽。

  • 2011/03/18(金) 10:00:00

※相変わらず長いんで、余裕のある方のみ御推奨です!!

3月17日(木)於 高円寺円盤
『日々の音楽~さよなら上等!』

出演
田口史人(レコード寄席)
北村早樹子
三角みづ紀
ジョニー大蔵大臣(from水中、それは苦しい


数日前、円盤の田口さんからこんなメッセージが発表されました。

多様な人間がいる東京では、意見をひとつにまとめることは難しいし、
また、危険でもあります。
そのなかで、抗ったりすり抜けたりしながら『好き勝手』やることを
見守ってくれているひとがいる。
そのひとの発言は、有り難くもあり、重いものだと思います。

そこに、早樹子嬢から『円盤でライヴやります!』とのご連絡。
夕方、家じゅうのコンセントを(冷蔵庫以外)ひっこぬいて、
ぽけぽけと外出したのでした。

高円寺には、イロイロお世話になってるところもあるし、
何より、地震のあと顔を観てない人たちに会いたい。
と思い、円盤に向かう前に、
高円寺のライヴハウス・Missionsに寄ってみた。
ちょうど、休業の日だったけれども、店長の辰野さんはお店にいらっしゃる、
とのことだったので。

辰野さんは、最初の地震が起きた日もライヴハウスを営業させていて、
その後すぐ、電気供給量足りないかも・計画停電発動か、と
揺れる東京のライヴハウス事情を鑑み、
(自分の店の営業形態を臨機応変に動かしつつも)
『ライヴハウスに集まった方が節電になるし、安心できる』という論を
ある程度明確な数字を出して、展開してくださった方です
(そしてMissionsは立地上、頑丈にできているらしい)。


ひとりひとりの状況があるから、何とも言えませんが
その試算と意志表明は、現実的なひとつの指標になります。
『自分の利益と、他人の利益』を明確にひとつの線でつないで、
包み隠さずさらしたうえで『大丈夫』と胸を張れるたくましさ。
それは、支持していきたいと思います。

辰野さんの顔を見ると、なんだか無根拠に元気が出ます。
それも、このたくましさがあってのことでしょう。
少々、お疲れのご様子とも見受けられましたが、
お変わりはないようで、一安心。

「次は営業時間に来ます」と誓い、
一路、円盤へ。


スタート時間ちょうどくらいに着いたら、
既に田口さんの『レコード寄席』が始まっていました。

ひとつのネタに沿ってピックアップした何枚かのレコード、
それにまつわるエピソードを聞かせてから、レコードをかける。
田口さんの淡々とした語り口は、何でもないエピソードが
ものすごく非凡なことに聞こえるのです。
それは、田口さん自身がふだんから“異様”なものに当たり前に接しているため、
じゃないかと思う。

この日は、どうやら詩人や小説家の、
セルフリーディング(或いはシンギング)のものを集めていたようです。
中原中也賞を受賞されている出演者の、
三角みづ紀さんに絡めていたのではないかと。

顔出しよりも“文章”で名を馳せるひとのなかに、潜在的にあるであろう
自己顕示欲の渦、みたいなのがレコードの回転とともに轟々と巻いていて、
そこに呑まれないようにするには笑うしかない。といった感じでした。

そして続いて、北村早樹子嬢。

いきなり聴いたことのない、ぽんぽん単音で弾むピアノのイントロから
始まったのは、
『アンパンマンマーチ』…!

これは、名詩の誉れ高い唄なのですが、彼女が歌うと、更に深みが増す。
というのも、かつては“歯車に絡まった男の話”や“歌片”、
最新作に入っているところでは“解放”などに見える精神性。

身体のなかで沸騰する感情と、それに比して身体を護る平和な殻
(セカイ、ともいえるそれはとても狭くて暖かいもの)、
そして園からのなかで暮らすことに甘んじている自分と、
そうではない、と抗おうとするもうひとつの自分の相克。

たぶん、日本の若者に於いては決してマイノリティのもの
とは言えないであろう感受性に対して、
この『アンパンマン』のオープニングは、
ひとつの答えを叩きつけたのじゃないか。
そんな風にも見えたのです。

たぶん、今回の状況を鑑みてなんか前向きなうたを、と
思っての選曲だったのかもしれませんが、深すぎたよ…(考えすぎ)。
早樹子嬢の細くて鋭くて、でも甘い声が
子ども向けアニメーションのオープニングらしいメロディには
ぴったりとはまって、
一時的なものではなく、レパートリーにしてほしいな、と思うばかり。

その後は、強くて細い早樹子嬢の、真骨頂のライヴ。
ワンマン以来久々に聴く“蜜のあはれ”には日常への懐かしさを感じ、
“わたしのライオン”聴くとやっぱり恋がしたくなり、
最後の新曲は、だんだん彼女のなかでこなれてきたのか、
初聴きのときのがむしゃらさはなかったけれど、やはり切ない。
淡々と変わらないように見えて少しずつ、なにかを意識するようになっている
ここのところのライヴは、観る度に全体の強度が増しているようです。

そして、中原中也賞受賞の詩人・三角みづ紀さん。
ふだんは『三角みづ紀ユニット』というかたちで、
バンドを携えて活動されているのですが、この日はスタインバーガーギターの
林隆史さんとの二人連れ。
ご本人いわく『バンドのなかでも精神的にじょうぶな二人』だそうで…。
ステージの中央を向き、観客に横顔を見せ、背中を丸めた姿での
三角さんのステージは、歌とリーディングが半々くらい。
途中、披露された遠藤ミチロウさんの
“JUST LIKE A BOY”はほんとうに、彼女の細くて突き抜ける、
けれども地に足のついた不思議な声に、ぴったりとはまっていた。
一瞬、ミチロウさんの曲だと気付くのが遅れたくらい。
リーディングに関しても、ちょっと東北訛りの雰囲気があって
(でも鹿児島出身なんですよね…)
ほんとうに、どこにも属さない異邦人…というか、
むしろもののけ姫の『コダマ』を思い出していました。

そして大トリ。ジョニー大蔵大臣
この日のハイライトは、
『谷川俊太郎を囲むライヴ』みたいなのに参加したとき披露した
御大の詩“詩人の墓”にメロディをつけ、
ただそれだけじゃ谷川さんつまらなかろう、と、
作中の『詩』を『ギャグ』に、
『詩人』を『芸人』に置き換えた“芸人の墓”でした。
まだ2回ぐらいしかやっていないそうなんですけれども、
儚い恋物語の芯が、哀れなほど露わにされる切ないうたでした。
それに続く“まじんのおのようこ”も、もう前が見えないくらいのスピード感で、
実際スピードに追い付かなくなって噛みまくってわやくちゃになる
クライマックスが、狂おしい。

ふと気付いたんですけど、
ジョニーさんを聴いてると
Eelsというバンドを思い出すのです。


ライヴの最中に、ジョニーさんの携帯の地震アラームが鳴り、
ほどなく揺れが…というアクシデントもありましたが、
全員無事。
3月11日の東北・三陸沖地震のときも棚はほとんど無事だったそうで、
田口さんの口から
円盤のビルは、大家が住むために作られてるからかなり頑丈』という
衝撃の事実が…!!

そんなわけで、
逼迫も危険も隣合わせ。
でも、高円寺のライヴハウス、音楽を取り巻く人びとは
どうやら、元気に進み始めています。

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