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特別篇■1月17日 日比谷カタン×坂本弘道『異形の蓬莱飾り』 アフタートーク!

  • 2011/01/17(月) 23:00:00

今回はちょっと、特別篇。

西荻窪サンジャックで行われました、ジョイントライヴ。

第一部は弘道さんのソロから始まり、そこにカタンさんが加わって即興を、というかたち。
第二部は、カタンさんの通常のライヴに、弘道さんが加わって
セッション的に展開してゆく、というスタイル。
そして、アンコールは、お二人のトークショウ!

このトークショウがなかなか貴重、かつ
おふたりの“活動”や“表現”へのスタンスが
垣間見られるものだったと思うので、
文字起こしをしてみました。
文章化のための「てにをは」、及び重複表現の修正以外は、
完全なベタ原稿です。
なので、やや長いのですが、是非どうぞ。


で、いつものわたしの駄レポの方は、別項で載せますので
そちらも、お時間ある方は、よければ…。

□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■

カタン 弘道さん、トーク込みで何か、曲をやりましょうか。

一同 (笑)。

カタン 今日は、リハーサルでグラインダーの話が出来たんですけ
ども…その機材についてのお話、というのは。

弘道 いやいや(笑)。あのね、そう…グラインダー。用意はして
ありますけども、必ずやる、とは限らないんです。

カタン ほら、ちょっと前フリをしたので、やって頂けたんじゃな
いか、っていう。今日は、わりと振動モノがですね。

弘道 そう。ほら、初めてのお客さんも居るだろうから…。

カタン あーっ、そういう風に…。

弘道 (笑)気になるだろう、と思って、やってみたんですけど。
でも、グラインダーに関しては、いつ、いかなる時でも持ってるん
ですけど、必ずやるとは限らない。こういうこともありましたよ。
やり始めの頃は…グラインダーとかやってても、
見てない人が居るんですよ。

カタン ああ。

弘道 やってんだけど、例えば、カタンくんのお客さんだったりす
ると、僕が何やってても、カタンさんしか見てないから。だから僕
が何やってても絶対見てない。そういうこともあるんです。で、と
ころがですね。最初のうちはバンドの中でやってても、まあ、見逃
したりとか、そうやってあるアーティストを集中して見てるから見
てない、とか。とにかく…お客さんて、ボーっとしてる人がけっこ
う居るんですよね(一同笑)。で、見てない人がけっこう居たんだ
けども、10年目ぐらいから…僕ね、20年近くずーっとやってるんで
すけど(笑)、10年目ぐらいから、見てないのに「見た」っていう
人が出てきたの。

カタン ほう。

弘道 だから、今日はやってないのに、「今日の火花、最高でした!」
っていう人が(一同爆笑)。もうね、何を信じていいのか、よく判
んなくなっちゃった(笑)。とにかくね、観てるものを見てなかっ
たり、見てないのに「観てる」っていう人も居るし。

カタン 何か、昨今の日本の現状を表わしてるような感じですね。

弘道 そうですかね(笑)。だから、最近は一応持ってきてはいる
し、実はあるんで、『必ずやるものだ」っていう先入観の下に観る
と、やってないのに「観た」っていう人も出てくるんですよね。

カタン グラインダーは民主党みたいに、ばらまかないぞ!ってこ
とだと思いますよ。

弘道 でも、やらなくてもいいのかも知れませんよ?

カタン ねえ。いよいよ消費税が上がるってことだと思いますねえ。

一同 (笑)。

弘道 まあ、そう…そうとも言えますけどね。

カタン 何か、こんな感じで…坂本さんに質問とかある方、いらっ
しゃいませんか?

一同 (笑)。

カタン トークショウみたいになってますけど。大丈夫ですか?何
か、これを機に。

一同 …………。

カタン 特に無い!……あの、例えば、楽器を壊してしまった、と
いうことは。

弘道 ありますよね。それは、最初の頃はよく壊してたんです。要
するに、力の加減がよく判らなくて。最近はですね、わりと、相当
危険に見えても、そんなに危険じゃない。だからやり始めの頃はよ
く楽器壊してましたし。



《続き》

カタン もう、ぐわぁっと行ってしまって。

弘道 そう。ぐわぁっと行っちゃって、だから始めの5分ぐらいで
もう弦が無い、とか。

一同 (笑)。

弘道 いちばん酷かったのは、それは海外だったんですけどね。グ
ラインダーをこう、バッとやろうと思ったら、大きいんですよ、海
外のグラインダーって。

カタン あっ?しかも、現地調達だったんですか。

弘道 そう。用意してくれ、つったら相当でかいんですよ。で、持
つのも大変で、持ってるうちに、足を削っちゃったんですよ。

カタン ひいいい。

弘道 それで、血がぴゅーっと出ましてね。

カタン まさに『悪魔のいけにえ』のような。

弘道 そうですね。それが始めて5分ぐらいだったので、もうたく
さん人も居て「何やるんだ?」って感じで観てるから、血でね。
“終わり”って書いて、壁に。

カタン うえええっ!

弘道 それで、出て行ったんですけど。それもけっこう、納得して
くれましたね(一同爆笑)。

カタン おぉ…。

弘道 (笑)そういう芸の人だと思われてんのかも知れません。で
も、最初はトラブル続きでしたよ。

カタン これ(今使ってるチェロ)は、何年ぐらいですか?

弘道 この楽器はですね…7年ぐらいかな?

カタン え、その前の、っていうか。

弘道 一応、2台でやってたんですよ。こっちを修理に出したら、
その間使いまわしたり。その楽器は…まあ、ご存知の方も多いと思
うんですけど、ある公園で、ソロのコンサートをやったんですけど、
そん時に燃やしてしまったんです。

カタン はあ!

弘道 でもそれは、自ら燃やしたんで。それは別にまあ…『燃やし
てみたかった』っていう(一同笑)。で、よく言われたんですよ。
「燃えちゃわないんですか!?」って。だから、それを実際燃やし
てみたら、どういう気持ちになるかな、って。で、最初はちょっと、
ダミーのチェロを持ってきて。あれ、ネットで5万ぐらいで、ちょ
っと安いじゃないですか。まあ5万でも高いんですけど(笑)。で
も、元々のチェロはもう何10万なんで。で、ダミーのチェロを燃や
しても、どうも気持ちに響かない。

一同 (笑)。

弘道 「これは嘘だ!」と思って。

カタン そりゃあ、そうですよ。

弘道 そうですね。だからそのライヴで、本当にコンサートに使っ
た楽器を、ちゃんと燃やしたんですよ。

カタン ウェディングケーキが全部食べられるヤツだってことです
よ。そうでないと、有り難く無い、ってことですよね?解釈するな
らば。

弘道 そういうことですよね。

一同 (笑)。

カタン だから、入刀のところだけケーキなのはダメだ、ってこと
ですよ、ちゃんと。

弘道 まあね。だから、今はこれ1本。

カタン でも、これが壊れちゃうと…。

弘道 これが壊れたら…いや、でもね。これが壊れて困る人はいま
せんからね、僕以外は(一同笑)。

カタン それは…(笑)。

弘道 だから、それはほとぼりが冷めるまでちょっと、お休みすれ
ばいいだけだし。

カタン …まあ。そうですね…。

弘道 だから、本当に怒る人居るんですよね。「楽器に何てことす
るんだ!」って。

カタン わたしもよく言われます。そうなんですよ。

弘道 真剣にそうやって怒る人、っていうのは、たぶん、楽器を見
たいんでしょうね。

カタン ああ。

弘道 だからある時から、チェロっていうのは、僕の音楽の最大の
ライバルになってるんですよ。チェロ奏者っていうのは、(ライヴ
を観るときに)チェロ奏者を観に来るんじゃなくて、チェロを見に
来るんですよ。だからどんなに頑張っても、チェロを見たい人にと
ってチェロを弾く人っていうのは、黒子なんですよ(笑)。

カタン 『このチェロがどういう音をするか』っていうのを見たい
んですね。

弘道 (頷)見たいだけなんですね。チェロの音っていうのは、き
れいな音…僕も大好きなんですけど、その音に騙される、っていう
ことはけっこうあります。だから、本当にどうでもいい曲でも、チ
ェロで弾くと「良い曲だね」って言われる。

カタン ああ…なんか、わたしが歌に感じていることと非常に近い
ですね。

弘道 だから、具体例を言うと、例えば“おくりびと”。あのチェ
ロとかは演奏は素晴らしいけど、曲はダメでしょ。

カタン (爆笑)そうですね。

弘道 だから、騙されちゃうんですよね。「あ、何か良い曲かも!」
って。そういう…(笑)。そういう意味で、僕にとってのチェロっ
ていうのは、いちばん近い…自分の道具というか、相棒ですけど、
敵でもあるんですよ。だから、自分の音楽を殺すものでもあり、活
かすものだったり。非常にこう、複雑な関係というか。それが行為
になって表れる、ということはあるかもしれないですけど。でも、
難しい楽器ですよね。

カタン うーん…。深いですね。わたしもそういう感じの関係性を、
楽器とともに、語る、って言ってみたいと思うんですけどね。何ぶ
んその…音楽をやってる気がしないんですよ、わたし。

弘道 なるほど。

カタン で、先程その、チェロの良い音、とか音楽とか、例えばラ
イバルという関係とか。僕も、音楽的側面というところではそうい
うことに、少しは関与してると思うんですけど。まあ、さっき(第
2部冒頭)のMCでも言いましたけど、「違和感がずっとある」。そ
の違和感に何とか整合性を持たせて、その場に、違和感として「ど
うでしょう、今日の違和感は」という感じの見せ方。みたいなもの
の呪縛からなかなか解かれない。

弘道 なるほど。僕はチェロを始めて10年目ぐらいのときに、一生
懸命チェロで出そうとしてる音が、チェロで出す必要が無い、とい
うことに、ある時気付いたんですよね。だから、ずーっと違和感は
感じてたんですよ。よく考えてみたら、チェロが本来出すべき音じ
ゃなくって、自分が出したい音をチェロから無理矢理出している。

カタン あぁ~!!

弘道 と、いうことに気がついて。で、それを何とかするためにい
ろんな道具を駆使してこう、やってるんですけど。だから、非常に
違和感はありましたよ。でも今でも、それは消えたかっていうと消
えてるわけじゃなくって。だから、必死になって出している、って
いうんですか?もう、これでしか出す方法を知らないから出してる、
っていうことなんですけど。だからその違和感って、僕も常に感じ
てるし。でも結局、そういうコミュニケーションが成立してしまっ
たら、もう音楽じゃないというか。音楽、というのはコミュニケー
ションぽいんですけど、どっかでやっぱり断絶だったりが無いと、
出来ないと思いますよね。

カタン コミュニケーションが成立しないから求めている、ってい
う。

弘道 …そうですね。だから、極めて言語に近いものなんですけど、
言語として扱うと失敗する、っていうか。

カタン まあ、あんまり面白いものになりませんよね。

弘道 ええ、面白くならない。音楽は、そこに危険性があると思い
ます。あと、テクニックも非常に…音楽では解りやすいですから。
そのテクニックを披露することによって、表現に、スッとなってし
まいますからね。だから本当、表現がわりと技術に偏りやすいのも、
音楽の特徴だと思います。

カタン その、技術が無いと出来ないこと、っていうものが主題に
なってしまっていて。

弘道 そうですね。即興なんかでも、半分“技術の披露”みたいな
ところがあって。「こんな奏法が出来ました」とかね。やっぱり技
術に囚われるというのは…そっから解放される、というのは難しい
ところですね。だから、僕はどっちかというと、プロの現役のチェ
ロ奏者の中では、最もテクニックが無いと思われるんで(笑)まあ、
そこをどう補うか、表現で成り立たせるか、ということをずっと考
えてきたんですけどね。

カタン あの、先程おっしゃってた『チェロを見に来る人たち』と
いうのは、それをコミュニケーションの手段として、そこだけを音
楽と考えているんですか?

弘道 うーん…そうですよねえ。

カタン その人とか、その場で起きたこと、というのを感じる、と
いうことじゃなくて、楽器単体を、ということ?

弘道 そう。さっきのグラインダーの話にも通じるんですけど、
『その場で起きること』っていうのはほとんどもう、予測してくる
わけなんです。だから、その確認、というのがまず9割ぐらいあって、
その場に起こったこと、というのを本当に拾ってるかどうかは、あ
やしいものですね。だから…そんなこと(笑)、せっかくライヴに
来てくれるお客さんに申し訳無いんだけど。それだけ、先入観って
いうか『自分が見たいものを観る』という意志は、強烈なんですよ。

カタン けっこう、遮断してるのかも知れないですね。

弘道 そうですね。チェロって、それがいちばん強烈な楽器で。
『セロ弾きのゴーシュ』から逃れられないんですよ、みんな。『セ
ロ弾きのゴーシュ』とか…あとは、セレブっぽい楽器ですから、何
か、クラシックのね。

カタン イメージが。

弘道 うん。イメージからなかなか抜け出せない。それを脱する、
というかね、単純に音楽として聴かせる、というのは至難の業、と
は思います。単純に御飯だけ食べるんだったら、そういうのを利用
した方が早いとは思います。

カタン そうですね、それは。いわゆる多数決的な音楽、人が求め
る音楽というものの形態がそういう解りやすいものになっていて、
そこで、やはり需要と供給が働いて商売になってる、という。

弘道 そうなんですよ。だから…よく芸術とか、音楽もそうなんで
すけど、だいたい、例えばカタンさんを観たら、カタンさんを観る
前の自分には戻れない、っていうくらいのものなんですよね、本当
は。

カタン まあ、そうですよね。

弘道 だから、これで「ああ、今日は面白かったね」って、またい
つもの自分に戻るようなら、これはもう芸術ではない、というか。
何も破壊してない。レクリエーションっていうか…(苦笑)。

カタン 暇つぶし。

弘道 暇つぶしでしかないわけで…。まあ、それはそれで良いんで
すけど。でもまあ、やっぱり…どっかこうやってやる、っていうこ
とは、何かを壊して何かをやろう、っていう行為のひとつですから
ね。まあ、そこは忘れたくないな、と。…………何でこんな真面目
な話を(笑)。

カタン いえいえ、たいへん貴重なお話を。アンコール、というよ
りこういう形になってしまいましたが、もう一度盛大な拍手を!

一同 (拍手)

□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■


(※掲載にあたり、ご出演のおふたりの許諾は、いただいております。
日比谷カタンさん、坂本弘道さん、ご協力ありがとうございました。)

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